2006.7.3(月) 曇り 単独行
菅平牧場駐車場 9:52 根子岳 11:15 〜 11:22 十ヶ原 11:47 四阿山 12:42 〜 13:27 中四阿 13:55 菅平牧場駐車場 14:50
草津のホテルで朝食をとった後、遅い出発。菅平を目指した。草津側から四阿山に登るなら、嬬恋村のスキー場や鳥居峠から登るコースなどもあるが、菅平からなら根子岳と結んだ周遊コースが取れる。少し遠いがせっかく登るなら2山に登ろうと思った。 昨年9月に磐梯山に登って以来、大きな山に登るのは久し振りだ。そのせいか四阿山への登りは結構きつかった。心配した雨は上がったが、山は厚い雲に覆われたままで、展望を得ることはできなかった。しかし、梅雨時の平日だったおかげで人も少なく、静かな山歩きを楽しむことができた。
菅平高原に向かう途中から見た四阿山。山麓の雨は上がったが山頂は雲の中だ。 菅平牧場駐車場から根子岳方向を見る。やはり厚い雲が垂れ込めている。菅平牧場に入るには、入り口で入山料200円を支払う。 駐車場の近くにある案内板。今日は根子岳から四阿山をまわるコースを行く。 登山道は広大な牧場に沿って登る。カッコウの声が響く朝の高原は気持ちがいい。ところが…柵の外に大きな牛が2頭、登山道のすぐ脇に出ている。おとなしい動物だろうが間に何もないと結構怖い。しかし、近づくと牛たちは山の方に跳ねて消えていった… ヒオウギアヤメ。こんな山中にアヤメが咲くのか… 今回初めて覚えた植物(1)。 美しいダケカンバの林。この写真、うっかりマクロモードのままで撮影してしまったが…大丈夫なようだ。 1992m地点?の少し広くなった辺りにスズランが一株だけ咲いていた。かがんで顔を近づけるとよい香りがする。いつ見ても可愛い花だ。 ベニバナイチヤクソウ。「イチヤクソウ」だったよなあ… この程度の知識はあった。しかし図鑑できちんと調べることがやはり楽しい。今回初めて覚えた植物(2)。 レンゲツツジ咲く道。登山道のあちこちに咲いていて、目を楽しませてくれた。このレンゲツツジの名前さえ、あまり自信がない。 ハクサンチドリ。濃い紫色が目を引いていた。えーっとテガタチドリだっけ… 調べてみると、チドリ違いだった。ハクサンチドリ、名前だけはよく知っていた。今回初めて覚えた植物(3)。 根子岳への道。樹林帯を抜けると広い笹原が続く。その上を霧が渡っていく。山頂まではもう一頑張りだ。 ゴゼンタチバナ。高山植物に興味を持ち始めると…見るものすべて新鮮に感じる。ゴゼンタチバナの名も聞いたことはあったが、これがそうだったのか。今回初めて覚えた植物(4)。 ようやく根子岳山頂にたどり着く。霧は少し晴れた。山頂にいたグループは、今朝、浜松を出発して来たそうだ。 根子岳山頂の祠。広々とした山頂は草原の延長になっている。晴れていれば素晴らしい展望が望めるそうだが今日は見えない。 板状節理。根子岳山頂を過ぎると、薄い板を幾重にも重ねたような巨岩の間を行く所がある。溶岩が冷える時、筋状の割れ目がいくつも入ったものだ。 霧が渡る縦走路は草原を行く。歩きやすく気持ちのよい道だ。ヒバリに似たビンズイの声がよく聞こえる。 十ヶ原を見下ろす。鞍部の十ヶ原は根子岳と四阿山のちょうど中間にある。独り占めできるのがこの上ない贅沢。そんな場所だ。 十ヶ原から根子岳を振り返る。霧の晴れ間から山頂が一瞬顔を見せたが、またすぐ霧に覆われた。 そして前方の四阿山。草原が終わるといよいよ四阿山への登りだ。やはり霧の中の山頂を目指して進む。 登りは樹林帯へと続く。四阿山までの標高差は200mほど。大したことないはずだが、結構きつく感じた。運動不足の上、ペースも速いのだろう… マイヅルソウ。大変小さな花は金平糖のように見える。こんな小さな花は調べるのが大変かと思ったが、他の植物と変わりなかった。マイヅルソウの名は葉の形に由来するそうだ。今回初めて覚えた植物(5)。 登りが緩やかになり、山頂に近づくと霧の中に忽然と木製階段が現れた。このまま山頂まで運んでくれるのかと思ったが、すぐに終わった。 四阿山山頂。広いとは言い難い山頂は東西に細長く続いている。山頂の様子を撮ろうとするとお食事中のご夫婦が入ってしまう。地元の方で、3回目の四阿山だそうだ。一度も晴れたことがないとのこと。 四阿山からの展望… 浅間山をはじめ北アルプスの眺めが素晴らしいそうだが… と文章を打っていたら、澄んだ空気の中で四阿山にまた登ってみたくなった。 三角点は山頂を東側に5分ほど下ったところにある。すぐの距離だが、急峻な岩場に鎖が掛けられた道で驚く。標高2332.9m。 四阿山頂から根子岳側に少し戻ったところに中四阿への分岐がある。登りはただ通過したが、帰りは来た道と「お別れ」なのでしばし立ち止まる。 分岐からはガレた道が続き、岩稜の小ピーク中四阿を過ぎると、やがて樹林が目立つようになる。再びレンゲツツジの見事な群落が迎えてくれた。 高度をどんどん下げながら進んで行く。霧の晴れ間に広がるのは畑だろうか… 見渡す限り緑。そんな印象だった。 牧場の横を行くようになると登山も終わりが近い。登山道が車道に出ると、あとは牧場に沿って駐車場に向かう。牧場の奥は四阿山の方向なのだが、やはり雲に覆われたままだった。 駐車場に戻ってきた。時間もそれほどかからず、登りもそんなに急でなく、楽しい登山だった。しかし麓はよく晴れているのだが… 山では天候に恵まれず残念だった。 菅平を後にして草津に向かう。四阿山を振り返ると、あれだけ晴れなかった山頂が顔を見せているではないか。青空も広がっている。やっと四阿山が遠望できたわけだが、この時刻になると晴れるのだろうか。四阿山…また機会があれば、晴天の下で歩いてみたい。